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【第11弾スタッフブログ】上江洲誠(シリーズ構成・脚本)さんからのブログが到着♪
結城友奈は勇者である OFFICIAL
結城友奈は勇者である OFFICIAL

皆さんがこのコメントを読んでいるということは、今11話が放送された後でしょうか。お楽しみいただけてますか? 最終決戦が2話に跨がっていてびっくりされたことでしょう。この辺、我々の悪いクセというか熱いパトスです、お恥ずかしい。

苦節8年(OA的には7年)、本プロジェクトも随分と遠くまでやって来たと思います。感無量な気持ちで、僕なりに大満開の章の思い出話をします。


事の起こりは2018年後半でした。続編――第3弾の依頼があったわけですが、トークイベントなどで話している通り、僕はこれ以上友奈たちに戦わせることに反対していました。

さてどうしようとなって、提案させていただいたのが「勇者の章」を補填するという構成です。6話という変則的に短い話数にまとまったあれも、あれはあれで好きなのですが、元々の原案にあった量産型勇者(後に防人と命名される)のエピソードなどを改めって描いてはどうかという案です。

その際強く監督たちに注意喚起させていただいたのが、これは決してリメイクではないということです。「勇者の章」をもう見なくてよい物にするなんてことがあってはいけません。新シリーズはあくまでも、「勇者の章」と表裏一体のB面であるのだということです。


友奈シリーズの始まりは特に社会的な背景を描かないように留意してきました。じつは非常に視野を限定した作品なのです。常識的な予算の1クール作品ということで考案させていただいたカロリーコントロールのための作戦でした。しかし、中学生の視点に限定したことが結果、(皆さんご存じの通り)作品を面白くしました。じつはこれこそが友奈シリーズの立ち上げが上手くいった妙案だったと思います。

そして時は流れて第2弾、第3弾と作られていくわけですが、お気づきになられてますでしょうか? その視野を少しずつ解禁していっているのです。「勇者の章」では神樹と大赦の事情を、「大満開の章」では過去と社会の事情を紐解いています(途中段階で「鷲尾須美の章」では安芸先生という大人の視点が入ってきます)。段階的な広がり、こういう手法で僕は続編を書くことの意義を提示していました。


さあまだ最終回前なので、これ以上お話しすることは出来ません(この続きは、Blu-ray BOXのブックレットで!)。

シリーズを経て視野を拡大させていった本作が辿り着く彼岸。友奈たちが、勇者たちが、どのような結末を迎えるのか、そしてどう物語が広がっていくのか、ぜひその目でご覧下さい。

僕も、ついに、やっと、8年前からの念願だったこの物語を皆さんにお届けできることを嬉しく思っています。